夏まつり その1

今年のしいば花火大会は、三十二年の歴史の中で初めて、上椎葉ダム放水との競演が実現しました。
実は八月の花火大会直前に九州沿岸を通過した台風六号の影響で、災害発生の危険性もあり開催が危ぶまれる緊迫した状況でした。ところが幸い大きな被害がなく、一転してダム放水と花火打ち上げが同時に実現するという奇跡的な展開となったのです。
ここ数年間のコロナ禍でも唯一、椎葉の夏の催しとして開催を続けてきたしいば花火大会。花火通の間では、周りをぐるりと囲んだ山々への反響音の迫力が、しいば花火の魅力と評判でしたが、今年はまた新たな一面をお披露目。花火の明かりを反射して誇らしく流れ落ちる水に、しばし見惚れていました。

こちらは旧小崎小学校。小崎夏祭りの会場設営のために、朝から地域の皆さんが作業中。夕立の多いこの時期、天気予報とにらめっこしながら、「やっぱり外の方が盛り上がるもんね」と、会場を運動場に決め、「どうじゃったかね、こうじゃったかね?」と四年前の記憶を思い出しながら、汗を流していました。

子どもたちは、射的屋さんに列を成して大はしゃぎ。それをにこにこと相手するのは、地元出身の若手たちです。椎葉の若者は、本当に地域思いで人想い。そんなお兄ちゃんの優しさがまた、子どもたちにも伝染するのでしょうね。
平家大いちょう太鼓の演奏では、可愛らしい新人さんもお祭りデビュー。凛々しくかっこいいお姉ちゃんたちの隣で、誰よりも楽しそうに演奏を披露してくれました。  日も落ちた祭りの中盤、数々のステージに会場が沸いてきた時のこと。

突然、大粒の雨が降り出しました。全く止む気配のない空を見上げつつ、テントの下でぎゅうぎゅう詰めになりながらも、なんだか皆楽しそう。そして驚くべきは、一時間後ようやく雨が止むまで、ほとんどの人が帰らなかったこと。むしろいい思い出になったと言わんばかりに、その後、祭りの盛り上がりは最高潮を迎えたのでした。
小崎小学校が廃校になって三年。ここに住む多くの人の母校であり、何世代にも渡って思い出の場所であり続けてきた小崎小学校の校舎は、今年の夏に解体されました。そしてその場所に、地区民で何度も議論を重ね構想を練った新たなコミュニティセンターが建設されます。
雨にも負けず、廃校にも負けず。皆の向く先、それは「ここで一緒に笑って暮らす」ということに他なりません。