晴れた日、やさしい出会い

キーンと冷えた空気
日の出を予感させる赤く染まった雲
少しずつ空が明らみ
鳥たちが鳴きながら山へ向かいます。

その声が止むと、村に朝がやってきました。
今日はいい天気になりそうです。
どこまで続いているのか
知らない道をただただ進むと
その先に1軒のお家がありました。

甲斐泰敏さんと、その母・ハツヨさん。
笑顔がそっくりな2人です。
椎茸を栽培しながら暮らしています。

「まだひらいてないけど 持ってくかい?」
はじめましてなんて関係なくいつも何かを持たせてくれる
それがこの村の習慣なのだとわかってきました。
「一個でいいんかい?二個持っていきない」「二個でいいんかい?本当にいいんかい?」際限なく増えそうな椎茸をついつい遠慮してしまう私。実はその笑顔でお腹がいっぱいなんです…とは、照れくさくて言えず
「またね~」と言葉を残して甲斐さん宅を後にしました。

小さな村の小さな集落
そこで暮らす
大きなやさしさに出会った朝でした。

Local LAB Shiiba ライター 麻生真実

大分県日出町出身。北海道、韓国を経て、現在は湯布院町在住。 美術館で働きながら、たまにインド料理屋でバイト。シナリオライターを目指しつつ高校演劇の台本を書いたりしています。 強運と第六感に導かれて生きているアラサーです。 何かに導かれてやって来た椎葉村で、これから何が起こるのかワクワクしています。 夢は、笑って死ぬことです!