山道をぐんぐん登りつめた先に、小さな集会所があります。松尾地区、畑・鳥の巣公会堂。この日は月に一度の「いきいきサロン」。近所に住む高齢者の皆さんが集っています。

このサロンは、椎葉村社会福祉協議会の職員さんが各集落を訪れ、皆で健康体操をしたり、お茶を飲みつつおしゃべりをしたり、ご近所さんと定期的に顔を合わせて互いの元気を確認しあう大切な場となっています。

そして最近、サロンに来られる高齢者の方へ本の貸し出しを行う移動図書の取り組みも始まりました。

なんといっても面積の広い椎葉村。三年前、村の中心地に椎葉村図書館『ぶん文Bun』ができ、村内外から多くの人が訪れていますが、椎葉に住んでいてもなかなか足を運べない高齢者の方がたくさんいます。

「来られなければ、こちらから届けよう」そんな思いで『飛び出す司書』として活動するのは、地域おこし協力隊の長谷川涼子さん。慣れない山道の運転に四苦八苦しながらも、一人でも多くの人に本に触れる機会を届けたい一心で村内を走り回ります。

いつものサロン、いつもの顔ぶれに、新しく、本との出会いがいいスパイス。穏やかだけど退屈しない楽しい時間が流れていきます。