川沿いのあちこちに菜の花
種が流れてでも来るのかな?
水際まで元気に根を張り花を咲かす。
椎葉の里のあちこちを 黄色が鮮やかに彩ると
釣り人たちが待ちわびた ヤマメの解禁となるわけです。
熟練の村の衆だけではない。
最近では、オシャレな都会の若者まで 椎葉ヤマメさんに会いに来るのです。
よ、ここは、 ただの田舎じゃなさそうだ。
椎葉に吹いている 新しい風 春の風。
ヤマメは美しい魚です。『山女魚』と書くくらいですから。(椎葉では『エノハ』と呼びますけどね。)
キラキラ光る体に、銀鼠の小判形の斑点を並べ、透明感のある朱色の線でそれを貫く。尾ビレ、胸ビレの先も、きれいに赤く染める念の入れようです。釣り上げて手元に引き寄せた瞬間、釣り人たちは皆、その美しさに惚れ惚れするもの。しかもその美しさ、スタイルの良さは必ず、川の清らかさに比例するもの。
したがって、椎葉のエノハたちは、誰がなんといっても美人揃い、というわけなのです。
尾前の川で出会った三人は、佐賀県から来た若者たち。釣り上げたのは、食べちゃうには、ちょっとかわいそうなリリースサイズ、ルアーから外してあげると、「ありがとっ!」とばかりに元気よく流れに消えて行きました。 「いいのいいの、お昼は川辺でキャンプ料理を作るから。夜は民宿でごちそうが待ってるし・・・。」
今日の釣果は、彼女を入れて合計四尾。三人で四尾はちょっと寂しそうだけど・・・いえいえそんなの関係ないそう。 なかなか出会えないエノハさんだから、出会った時のその美しさが引き立つんです。 釣れても釣れなくても関係ない。きれいな川に戯れる。岸の菜の花と同じ風に吹かれてにっこり。釣り人たちは十分ご満悦なご様子でした。