春らんまん

ふきのとう
ユキノシタ
ノビル
セリ
山葵
つくしんぼ
山桜
モクレン
ミツマタ
すももの花
ばくど
かんたろう
メジロ
アオバト
沢走る水
椎葉の 春らんまん

ミツマタはなんと律儀なことか。

人がつけた名前なのに 頑なにそれを守って 枝を必ず三又に伸ばしている。

たまには二本で留めたかろう。 三本では飽き足らぬ時もあるだろう。

なのに律儀に三又に枝を伸ばし 葉っぱで隠してごまかすような卑怯は折れてもしない。

そして今年も 三、三、三、と伸ばした枝先に 可憐な薄黄色の花をつけている。

ああ、 桑の木原の林道沿いの山の斜面は今、律儀で心美しい者であふれ 遠目にも薄黄色に染まっている。