椎葉のいろ

色とりどりの器たち。
作者は清田政憲さん。「村の人に恩返しをしたい」と、生まれ育った椎葉村へ戻ってきました。元々趣味だった陶芸を椎葉でも続ける為、自宅横に工房「向山窯」を建てたそうです。

作品はすべて、椎葉村の土から出来ています。掘る場所で、出てくる色が違うのだとか。
ここへ来る前に登った、雨でぬかるんだ坂の、私の足を捕まえたあの土はどの色だろう。そんなことを思いながら、見入ってしまいます。
器に風合いを添える釉薬もここで配合して作られています。笑顔で「毎回どんなものができるかわからない」と話す政憲さん。そんなお話を聞いていると、この工房が自然を楽しむ実験室のように思えます。
ある時、偶然出た器の底の色を「椎葉ブルー」と呼んだお客さんがいたそうです。深くて、キラキラつややかな青色。月の光が椎葉ダムに反射すると、水面はこんな色になるのかな・・そんな景色を私は思い浮かべました。

椎葉村には豊かな自然があるだけではありません。自然を活かす知恵があります。そして実践し、伝える人がいます。

Local LAB Shiiba
ライター 起田 千晶 26才

千葉県市川市在住。都内の不動産関係の会社で働いています。
旅行が趣味です。国内で行ってみたい場所と出会ったら、タイミング見つけて出かけています。
九州は、両親の出身地なので特に親しみのある地域です。宮崎県は今回初めて訪れました。
椎葉村で印象に残っているのは、会う人会う人から「椎葉がすき」という思いをじわじわと感じたこと。その魅力、椎葉のみなさんからこれからも教えていただきたいです!