十一月のある日、大河内の九州大学宮崎演習林を訪ねました。紅葉の季節はもう過ぎていたけれど、落葉した木々の枝の間から、広大な森のずうっと向こうまで見渡せる清々しい一日。技術職員の長さん、山内さん、緒方さんの仕事に同行させていただきました。
2,916ヘクタール、ちょっとイメージしにくいほど広い演習林の中へは日頃、一般の人が立ち入ることはありません。車でちょっと走ると、鹿がひょっこり顔を出します。実は演習林の研究の重要なテーマの一つが『鹿の食害について』。日本の山林で鹿の数が増えすぎて植生にまで大きな影響を与えている原因や対策を調査、研究しているのです。
森の中を流れる小川には純粋な天然のヤマメの姿が・・・放流や釣りが行われない環境だからこそ、本来の川の世界が保たれているのです。
(上)森のキャラクターになりそうなかわいい苔の名前は『ヒノキ苔』。 (下)カラマツの幹を覆うのは『地衣類』とよばれるもの、苔に似ていますがまったく違うものらしい・・・です。
高く伸びた森の木々のてっぺん部分を観察するために組まれたやぐら。ちょっと足が震えます。
森が大好きな教員や職員のみなさんが働く演習林の庁舎の中にはこの森で採取された動植物の標本が保存されています。
椎葉の森がいつまでもこのままで残っていきますように。そんな気持ちになれた貴重な体験を有難うございました。詳しい情報は興味深い情報や綺麗な写真が満載の九大演習林のホームページへ