そまかり かてーり

※ 椎葉ではソバ刈りのことを「そまかり」とも言います。

真っ白でかわいい花を一面に咲かせた後、緑の実が段々茶色くなってきたら、ソバ刈りの合図。
この日栂尾つがおの畑では喜代子さん、トヨ子さん、ヒデ子さんが近所の若い人のソバ刈りを手伝って「かてーり」です。

朝、畑へ出発前に、カズラで紐づくり。カズラはくずつるのこと。最近では既製品の紐を使うことも多いのですが、近くに幾らでもあるカズラを採ってきて、ちょうど良い太さに割くと、立派な紐ができます。これでソバを束ねておくと、掛け干ししている間にカズラが乾いてぎゅっと引き締まり、抜け落ちにくくなるんだそう。昔ながらの知恵ですね。

ソバ刈りはなかなかに骨の折れる仕事。茎を引っ張ると抜けやすいけれど、根っこの土が実に混ざってしまうといけないので、茎から上だけをきれいに刈り取らなければなりません。
腰を屈めて、長く続く作業だからこそ、こうやって互いに手伝い合って「かてーり」すると気持ちまで楽になるようです。

ひと段落したところで、ゆっくり焚き火に当たりながら、焼き芋で小腹を満たし・・・、

「さーて、もうひとがんばりしようやー」