里山、夏から秋へ

山栗は小粒だけど、コロコロ丸くて可愛くて、甘みがあって、濃くて、忘れられない里の味。
道路に落ちたのを、動物たちより先に拾えるかが一番大事。

 

稲刈り前、田んぼのあぜやお墓の周りがさっぱりと草刈りされ、きれいな丸坊主になるのを待っていたかのように、急に伸びて、あっという間に花の行列を作るのは彼岸花。
お彼岸の墓参りに、時期を違えず花を添えてくれる律儀な植物。

 

柿は里山に実る物の中で、一番甘いもの。
熟れるまで我慢できずに、1つちぎってガブリ。
「うー、渋い」
前歯がキシキシするのは毎年のこと。
今年もたくさん実ってくれてありがとう。

ご先祖さんが植えたもの、一人生ひとりばえで育つもの。
里山は、暮らす人と自然の中間にあって、夏から秋へ、殊更ことさら、にぎやかさを 増す場所です。